住宅ローンを借りるとき、いくらまでなら借りられるのか気になるかと思います。
借りられる金額によって購入できる家やマンションの値段が変わってきますよね。
銀行に住宅ローンの申し込みをする前に、年収ごとの目安を簡単に紹介していきます。
1.住宅ローンでいくらまで借りられる?
銀行の住宅ローンでは融資金額の上限が1億円になっていることが多いです。
ですが、誰でも上限の1億円まで借りられるわけではありません。
申込者の人物評価によって、いくらまで借りられるかは変わってきます。
ただ借り入れ可能金額については、主に年収が関わってきます。
年収が多ければ多くの金額を借りられ、年収が少なければ借りられる金額は少なくなります。
・返済負担率によって借入可能金額は変わる
住宅ローンの借入可能金額は返済負担率が大きく関わってきます。
返済負担率とは、年収に対しての返済金額の割合です。
例えば、年収300万円の人が年間90万円返済する場合、返済負担率は30%となります。
この返済負担率が一定の割合以下であれば、住宅ローンの審査に通る可能性が高くなります・
例えば「フラット35」の返済比率の基準は以下のようになっています。
- 年収400万円未満:30%以下
- 年収400万円以上:35%以下
銀行によって細かい基準は異なりますが、返済負担率が25%~40%以下でないと審査に通らないことが多いです。
返済負担率がこの割合を超えるような場合には、相当無理な返済計画を立てていると判断されます。
無理のない返済になるように返済期間を延ばせば、返済負担率を抑えられ、借入金額を増やすことができます。
そこで返済期間と年収ごとにいくらまで借りられるのかを計算してみました。
条件は以下のようになっています。
年収300万円:返済負担率30%
年収400万円~600万円:返済負担率35%
年収700万円以上:返済負担率40%
金利:4%
年収 | 20年 | 25年 | 30年 | 35年 |
300万円 | 1237万円 | 1420万円 | 1570万円 | 1693万円 |
400万円 | 1925万円 | 2210万円 | 2443万円 | 2634万円 |
500万円 | 2406万円 | 2762万円 | 3054万円 | 3293万円 |
600万円 | 2887万円 | 3315万円 | 3665万円 | 3952万円 |
700万円 | 3850万円 | 4420万円 | 4887万円 | 5269万円 |
800万円 | 4400万円 | 5052万円 | 5585万円 | 6022万円 |
900万円 | 4950万円 | 5683万円 | 6283万円 | 6775万円 |
1000万円 | 5500万円 | 6315万円 | 6982万円 | 7528万円 |
ちなみに銀行の審査では金利が3~4%ほどで計算されることが多いです。
実際の金利は1%前後であることが多いですが、審査時には金利上昇を見込んで余裕をもった数字になるように高めの金利で計算される傾向があります。
審査を厳しくすることで貸し倒れを防ぐ狙いがあります。
「住宅ローン以外の返済も含まれる」
住宅ローン以外にも自動車ローンを組んでいたり、カードローンを利用していたりする場合もあるかと思います。
返済負担率は、住宅ローンの返済金額だけでなく、他の返済金額の合計となります。
例えば、年収400万円の人が自動車ローンで年間50万円返済している場合、住宅ローンに回せるお金は年間70万円となります。(返済負担率30%の場合)
なので、他に借り入れがある人ほど住宅ローンで借りられる金額は減ってしまいます。
・年収の何倍まで借りられるのか?
上で紹介した表を参考に年収ごとの倍率を表にまとめました。
年収 | 借入限度額 | 倍率 |
300万円 | 1693万円 | 5.64倍 |
400万円 | 2634万円 | 6.58倍 |
500万円 | 3293万円 | 6.58倍 |
600万円 | 3952万円 | 6.58倍 |
700万円 | 5269万円 | 7.52倍 |
800万円 | 6022万円 | 7.52倍 |
900万円 | 6775万円 | 7.52倍 |
1000万円 | 7528万円 | 7.52倍 |
銀行ごとの審査基準が異なりますが、年収の5~8倍が審査に通る可能性のある借入金額となります。
安全に審査を通したいとなると年収の5倍までが目安になります。
2.借りられる金額と無理なく返済できる金額は違う!
ここまでで年収ごとの住宅ローンで借りられる金額の目安を紹介しました。
ただこれはMAXで借りられる金額なだけであって、無理なく返済できる金額ではありません。
仮に返済負担率30%だとしても、月収の3分の1ほどが住宅ローンの返済に充てられることになります。
例えば、年収300万円の場合、毎月7万5000円が毎月の返済額になります。
年収300万円の場合、手取りは242万円、月当たり20万円ほどです。
手取り20万円のうち7万5000円となると、12万5000円で生活しなければいけません。
年収だと税金や社会保険料などを引かれる前の金額になるので、手取りで計算すると案外負担は大きいです。
審査に通すということを考えても、返済負担率が20~25%ぐらいになるような返済計画を立てることをおすすめします。
返済期間35年、金利1%、返済負担率が20%、25%の場合でそれぞれの借入金額を計算してみました。
※現在、住宅ローンの金利は0.5%~2%ほどが相場です。返済計画を立てやすいように銀行の審査基準の金利ではなく、実際に適応される金利として1%として計算しています。
年収 | 返済負担率20% | 返済負担率25% |
300万円 | 1771万円 | 2214万円 |
400万円 | 2361万円 | 2952万円 |
500万円 | 2952万円 | 3690万円 |
600万円 | 3542万円 | 4428万円 |
700万円 | 4132万円 | 5166万円 |
800万円 | 4723万円 | 5904万円 |
900万円 | 5312万円 | 6642万円 |
1000万円 | 5904万円 | 7380万円 |
この数字を見てもらえれば分かりますが、実は銀行の審査基準の金利4%の返済負担率30~40%というのは、実際に適用される金利1%で計算すると返済負担率が25%ほどになります。
なので、実は限度額ギリギリまで借りても、それほど返済が厳しくならないようになっています。
むしろ銀行の審査基準の方が厳しいと思ったほうがいいです。
住宅ローンは長期返済型のローンになるので、将来子供の教育費がかかったり、病気や事故にあって医療費がかかったりと出費がかさむこともあります。
なので、ある程度余裕を持った返済計画を立てることが大切です。
返済が厳しそうであれば、頭金を用意するまで我慢する、家のグレードを見直すなどの方法を取りましょう。